北海道千歳市リハビリ病院 痛みについて理解して考えましょう!④
(2020年11月 4日 18:11)
こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

前回記事はこちら↓です。
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/11/post-271.html


前回までは痛みの時期をテーマにさせて頂きました。
今回も痛みの分類の続きです。
「原因による分類」です。
前回も少し触れたところになりますが下記のように
分類されていきます。
①侵害受容性疼痛
②神経障害性疼痛
③心理社会的疼痛

今回は①の侵害受容性疼痛に関してやっていきます。
侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう と読みます。)
概要としては最も皆さんが感じる痛みです。
組織損傷(筋肉・骨・靭帯・皮膚など体の色々なところを傷めること)
によって身体が痛いと感じることです。

組織損傷が発生した時に感じる痛みということですが
大きな怪我を想像している方も多いと思いますが
多くの外来患者様は日常のちょっとした身体に負担のかかる
ことが積み重なることで微細な損傷がやがて痛みにつながり
来院されることが多いです。
ちょっとした負担のかかることを特定することが
重要ですがなかなか難しく患者様にも問診の中で
時間をかけてお聞きすることが多いです。

負担のかかることとして文献で報告されていることも
少ないですが例として腰痛に関してですが
長い時間座っていることがあります。
特にデスクワーカーの方や運転手の方に多いイメージですが
長く座っていると腰椎ヘルニアになる可能性が増加すると言われています。
また悪い姿勢をとっているだけでもクリープ現象といって
脊骨の関節が不安定になるといったことも報告されています。
さらに俗にいう「良い姿勢」をとっていても
長時間座っていると徐々に筋肉が疲労してきて
悪い姿勢(背中が丸まっているような)になってしまうと報告されています。
なので大事なことは一定時間で姿勢を変えたり
一度立ち上がって体を動かすことで負担を軽減することが重要になります。
少し生活の習慣の中で意識を変えるだけでも疼痛を回避できるかもしれません。

また余談ですがずーっと痛みを感じる状態のまま
放っておくと神経などが過敏になって
感じる程度が強くなることや慢性化していきますので
早めの対処(病院に行ったり何か痛みを改善する為の行動)
が重要になります。

参考文献
①野田 他 3 つの異なる座位保持課題が腰椎分節の 角度変化に及ぼす影響 理学療法学 2017
②斎藤 他 異なる坐位保持課題が腰部受動性組織に及ぼす影響 ~腰部筋活動に着目して~