北海道千歳市リハビリ病院 痛みについて理解して考えましょう!② (腰痛を例にして)
(2020年10月26日 11:09)
こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。
本日は「痛み」についての記事の続きです。

※前回の内容はコチラ

https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/10/post-267.html

前回は痛みの定義について
触れさせて頂きました。

今回は痛みの種類に関してお伝えします。

分類方法がいくつかありますが
痛みの対処や原因を考える上では重要になります。

特に患者様に関わりがある種類として
「痛みの時期」があります。

時期とは痛みが出てからどれ位経ったかで
判断していきます。

ざっくりと分けると
①急性期 ②慢性期となります。

①急性期とは
痛みを感じてからすぐの時期です。

この時期は身体の組織(筋肉や靭帯など)が
炎症(腫れ、熱感、発赤など)している可能性がありますので痛みを強く感じる方も多いです。

例として腰痛では痛みを感じてから4週間未満の時期です。

よく患者様の中にも痛みがあるからずっと寝ていたとおっしゃられる
ことがあります。

しかし最近の研究では
痛みが出たばかりでもなるべく普段の活動を維持することで、
より早い痛みの改善につながり仕事への復帰も早くなるとの報告があります。

更に仕事を休んでる期間が長ければ長い程職場復帰の可能性が低くなるとも言われています。

もちろん痛みがある場合は無理をしないように
でも、できるだけ過度な安静を避ける必要があります。

過度な安静で筋力の低下や身体の柔軟性の低下などの
2次的な問題で更に痛みが強くなってしまう可能性がある為です。

②慢性期とは
例として腰痛では痛みが出てから3ヶ月以上持続している状態です。

腰痛が長引く要素として痛みが強いことはもちろんのこと
心理社会的(ストレスを感じたりすること)なことが慢性的になる要因となるとの報告もあります。

慢性的になっている方の多くが低活動なことがあり
運動を習慣つけることが重要となってきます。

腰痛ガイドラインでもホームエクササイズ(自宅での各々に合わせた運動をこなすこと)
が痛みを改善すると報告されています。

これは我々リハビリ職が得意とする
身体の硬さ、筋力等を評価しそれぞれにあった運動メニューを組むこととなります。

実際にリハビリでは痛い部位のマッサージだけでは無く
治療時間の中で自宅での運動メニューに関してもできるまで
一緒に練習していきます。

外来リハビリでは週に2~3回程度来ていただくことが
ありますが、やはり自宅にいる時間の方が長い為
ホームエクササイズを如何に正確に行えるかが重要となります。

疼痛でお困りの方は是非ご相談を!


参考文献

①Waddell G, Burton AK:Occupational health guidelines for the management of low back pain at work:evidence review. Occup Med(Lond)51(2):124- 135, 2001
②Minds 腰痛診療ガイドライン