運動とカフェインの関係
(2023年6月 8日 09:45)
こんにちは!
外来リハビリ班です

今回のテーマは『運動とカフェインの関係』です
カフェインは皆様知っての通りコーヒーや緑茶、エナジードリンクに入っているもので
眠気覚ましに飲んだり朝食時に習慣で飲まれている人も多いかと思います

最近では運動のパフォーマンスに関わっていることや脂肪燃焼効果も報告されてきています。
では、皆様が実際にカフェインを摂取するにあたって運動の何時間前に摂取することがオススメなのか?論文を紹介します!

実際の効果としては持久性運動や短時間高強度運動(重いバーベルなどでの筋トレ)、反復スプリント運動(ダッシュやジャンプの繰り返し)の前、または運動中に低用量から中用量のカフェインを摂取することは
パフォーマンス向上効果があると考えられると報告されています。(①近藤 2020)

別の報告でもチェストプレス(大胸筋の筋トレ種目)で持ち上げられる総重量が増加し、競技アスリートのウィンゲートテスト(全力で自転車のペダルのようなものをこぎ最大のパワーを測定するもの)でのパワーが増加しているとあります(②Kathleen Woolf 2008)

飲んでから吸収し血中濃度が高まるには
30~120 分である(③Blanchard and Sawers, 1983)と報告されています。
なので運動前1時間程度前から飲んでおけば身体の準備も整うのではないかと思います。


ここで一つ注意したいことが摂取しすぎてしまうと良くないということです。
厚労省では
カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。と明記してあります。

カナダ保健省での基準としては健康な成人で一日400mg(マグカップでコーヒー3杯程度)とされています
また、妊婦は血中のカフェイン濃度が減少するまでに時間がかかることや胎児への影響などからも推奨量は低く規定されています。(あくまで推奨量なので人種や個人差もありますでの不調を感じる場合は注意が必要です)


患者様の中にも1日4杯〜10杯程度飲んでいる方もいましたので注意が必要ですね

何事も取りすぎは身体の負担になってしまうことがありますので
適切に楽しみながらやっていくことが大事ですね!





引用文献
近藤衣美 直接的にパフォーマンスを向上させるサプリメントの科学的根拠 Jounal of High Performance Sport  5(2020)93-105
②Kathleen Woolf The effect of caffeine as an ergogenic aid in anaerobic exercise.Int J Sport Nutr Exerc
 Metab. 2008
Blanchard, J. and Sawers, S.J. (1983): The absolute bioavailability of caffeine in man. Eur. J.
 Clin. Pharmacol. 24, 93-98.
栗原 日常生活の中におけるカフェイン摂取 東京福祉大学・大学院紀要 第6巻 第2号 2016
⑤厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
⑥カナダ保健省 https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/health-canada-reminds-
  canadians-manage-caffeine-consumption