減量・ダイエットに関して
(2021年5月24日 17:09)
こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回は減量・ダイエットに関してです。

病院に来られる有疾患者の方、特に膝が痛くなるような
『変形性膝関節症』と診断されるような方は
筋力や柔軟性だけでなく体重を減らすことも膝への負担を減らすために
必要になってきます。
肥満が変形性膝関節症のリスク要因であったり
過剰な体重が疼痛や歩行能力と関係していると報告されています。(変形性膝関節症ガイドライン)

ちなみにどの程度体重を落とせば生活の中で実感できるかというと

体重が5,1%以上、または1週間で0,24%減少した場合、身体の機能障害が大幅に改善
したと報告があります。(Robin Christensen 2007)
なので体重60kgで膝が痛いなどの症状があ人は
約3kg、1週間で150g体重を落とす必要があります。

では、身体のために減量・ダイエットをしよう!と思ったときに
どのような方法で行えば良いのか?で行き詰まる方が多いと思いますので
今回は方法論をご紹介させていただきます。

体重の中で脂肪を落とすためには約7200kcal消費することが必要と言われています。
{7200kcalの計算は9kcal(脂肪1g消費するためのカロリー)×1000g(脂肪1kg)×80%(身体の中の脂肪から水分などの除いた割合)=7200kcal}

7200kcal消費するためには、毎日運動するとして
(7200÷30日=)233kcalを1日に消費する必要があります。
233kcal消費するためにはどのくらいの運動が必要かというと…
(時速4km:横断歩道で信号を点滅せず渡り切れる速さで計算しています。)

1ヶ月1kgの脂肪を落とすためには以上の量を参考にしてみてください。
しかし、運動だけではなく食事でも考えていく必要があります。

食事で233kcalに近いものは…
ご飯140gで約235kcal(コンビニおにぎり一個で白米100g位です。)
食パン(6枚切り)1,5枚で約237kcal
でも、これらは主食なので削ることはオススメしません。

嗜好品などでは
ポテトチップスなどの商品では約300kcal程度、ビールでは350ml缶で1,5本で
約246kcal、ハンバーガーでも約250kcalなどになります。
毎日のおやつを一つ削るだけでも数km歩く分のカロリーになるので
商品の裏側を見るクセをつけることも大事になります。

文部科学省のサイトでは食品のカロリーなどの検索機能もありますでの見やすくてオススメです。
https://fooddb.mext.go.jp/

以上のことがダイエット、減量を行う上で覚えることが必要なことで次に
効率の良い方法をご紹介いたします。
ダイエットの定番の運動としてはジョギングやサイクリングがあります。

結論からいうとジョギングがオススメされます。
ジョギングvsサイクリングではジョギングの方が脂肪の分解されやすいと報告されています。(Capostagno 2010)

運動を継続する時間としては『30分以上』をオススメします。
運動開始からすぐも少しは脂肪の燃焼が始まるのですが
運動開始から30分を超えた時点で大きく脂肪の燃焼が高まることが報告されています。(Klein S 1994)


今回のまとめとしてダイエット・減量をおこなっていく上でのポイントは
・1kgの脂肪を落とすためには毎日運動しても体重60kgの人で5km,75分程度は歩く必要がある。
・普段の無駄な間食を1つ減らすだけでもチリツモになる。
・ジョギングを30分以上行うことをオススメする。
・膝が痛くて歩きづらいなどの症状がある人は最低でも体重の5%程度は減量が必要になる。


引用文献
①Minds 変形性膝関節症理学療法診療ガイドライン
②Robin Christensen Effect of weight reduction in obese patients diagnosed with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis 2007
③Capostagno B, et al. Higher fat oxidation in running than cycling at the same exercise intensities. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2010 Feb;20(1):44-55.
④Klein S, et al. Fat metabolism during low-intensity exercise in endurance-trained and untrained men. Am J Physiol. 1994 Dec;267(6 Pt 1):E934-40.