腰部脊柱管狭窄症(疾患概要・リハビリでの予後)
(2022年2月 4日 15:28)
こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

疾患解説シリーズやっていきます。
どんな疾患なのか?
リハビリでの介入の影響はどのくらいなのか?
ガイドラインや文献をもとに解説していこうと思います!

まずは疾患の概要からです。
腰椎において神経組織と血管のスペースが減少することに
より、腰痛はなくてもよいが、殿部や下肢痛がみられる症候群と定義しています。
(North American Spine Society診療ガイドライン)

症状としては
下肢の痺れ、間欠性跛行(歩き出すと徐々に脚に痛みが出現し身体を前にかがめると軽快する症状)
などがあります。(日本脊椎脊髄病学会)

経過として自然経過、保存療法、リハビリの影響を示します。

軽度、中等度の方は自然経過であっても1/3~1/2が良好な結果が期待できると
報告されています。(Ishimoto 2012)

保存療法(手術以外での治療)では5年間観察した研究で
約40%が改善し、約17%が普遍、約40%が悪化したとあります。(Miyamoto 2008)
初期治療で改善が見られた人は予後が良く、側湾がある場合は予後が悪いとも報告しています。

リハビリでは複合的に治療を行っていくことで
中期効果において腰部痛、下肢痛の軽減、長期効果では
下肢痛の軽減、歩行能力の改善が認められています。(理学療法ガイドライン)

今、下肢痛や痺れなどがある方たちの参考になれば幸いです。

引用文献
①North American Spine Society診療ガイドライン
②日本脊椎脊髄病学会
③Y Ishimoto Prevalence of symptomatic lumbar spinal stenosis and its association with physical performance in a population-based cohort in Japan: the Wakayama Spine Study Osteoarthritis Cartilage. 2012 Oct;20(10):1103-8. doi: 10.1016/j.joca.2012.06.018. Epub 2012 Jul 10.
④Hiroshi Miyamoto Clinical outcome of nonoperative treatment for lumbar spinal stenosis, and predictive factors relating to prognosis, in a 5-year minimum follow-up J Spinal Disord Tech. 2008 Dec;21(8):563-8. doi: 10.1097/BSD.0b013e31815d896c.