音楽療法ブログ第1号~音楽療法のはじまりは、、、紀元前!?~

(2021年6月11日 10:00)(通所リハビリブログ)

音楽療法士の青木梨央です。昨年4月から北星病院通所リハビリセンターで音楽療法を開始しました。
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“音楽療法”と聞くと、
言葉は聞いたことあるけどな~
音楽で癒すことかな~   
など音楽療法のイメージは曖昧で、まだ馴染みのない分野かなと思います。
そこで、これから定期的に音楽療法の素晴らしさや、音楽が心や身体にどのような効果があるのかを掘り下げていき、皆様にお伝えしていきたいと思います!
 
 
初回の今回は、「音楽療法の歴史と今」についてです!
 
まず、音楽療法はいつからあるのか。
なんとその始まりは… 紀元前なんです!!
 
〈ギリシャ神話〉
登場するオルフェウスは竪琴弾きで、その音楽の力を病の治療に用いていたと記されている。
〈旧約聖書〉
ユダヤの王サウルの心の病を羊飼いの若者ダビデが竪琴を弾いて治した逸話がある。
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ギリシャの哲学者アリストテレスは、『音楽には情緒を発散させるカタルシス効果がある』と述べ、プラトンは『音楽は魂の薬である』と述べています。
薬や医療が確立していなかった紀元前から、人は音楽の力を感じ、治療として音楽が用いられていたようです。
意外にも音楽療法の歴史は古かったのです!
 
20世紀になり、アメリカでは1956年から公認音楽療法士が誕生し、日本ではその約40年後の1997年に認定音楽療法士が誕生しました。

現在、日本の認定音楽療法士は2,461名(2021年3月末日現在)理学療法士は129,875名(2021年3月末日現在)であり、比較すると音楽療法士はとても少なく貴重で、これからさらに発展していく分野だと考えられます。
 
実際に通所リハビリセンターでは、感染症対策を行いながら音楽療法を毎日実施しています。
 
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音楽を聴くだけではなく、音楽に合わせた身体活動や楽器活動、脳トレを組み合わせるなど、目的に応じて行っており、ご利用者様からも大変ご好評いただいております。
 
今後は、活動の場をリハビリセンター以外にも地域へと広げていきたいと考えています。ご興味のある方は、北星病院通所リハビリセンターまでご連絡下さい。
 
以上、『音楽療法の歴史と今』でした♪
 
次回は『音楽が気分や感情とどのような関係があるのか』をお伝えする予定です。お楽しみに♪
 
引用文献
William.B.Davis.,Kate.E.Gfeller.,Michael.H.Thaut.栗林文雄(訳)音楽療法入門Ⅰ
 

自粛生活で増加?肩こりの話

(2021年6月10日 10:00)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回のテーマは自粛生活で増加?肩こりの話です。

元々、日本人は症状を自覚して病院を受診する中で
女性の1位が肩こり、男性も2位となっています。(国民生活基礎調査 )

新型コロナウイルスによる自粛生活や在宅ワークの関係で
会社のデスクではなく自宅のテーブルなどでパソコンを使用する時間が
増加し肩こりを感じている人が多くいます。

肩こりを改善するためには環境的に目線の高さとパソコンの画面を
揃えるためにPCスタンドとワイヤレスキーボードなどで環境調整をすることも
重要になってきます。

また、身体の状態としても特に女性では体幹の筋肉が少ないほど
肩こりと関係していると報告されています。(加藤 2019)
また、歩くことが少ないほど肩こりに関係するとも報告されています。(新井 2005)

在宅勤務で通勤がなくなり歩くことがなくなった人は空いた時間に散歩することは
リフレッシュになるとともに肩こり予防にもオススメですね!

以下に簡単にできる体幹ストレッチや筋トレをご紹介します。

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ダイエット後のリバウンドに関して

(2021年6月 9日 15:43)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回はダイエット後のリバウンドに関してです。
減量・ダイエットに関しての前回の記事も参照ください。

https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/05/post-330.html

せっかく痩せたのにリバウンドしては元も子もありません。
なのでしっかりとリバウンドしないように行動していく必要があります。
色々な研究からどうなったらリバウンドしてしまうかの報告があります。
ダイエット、減量を行っていく中で
体重を落とすと脂肪も落ちますが筋肉の量も少なからず減少していきます。
そこが大きな問題となってきます。

ダイエット後に8週間の自由な食事を行うと徐々に脂肪量も筋肉量も増加していくのですが
脂肪量の増加が止まる時のポイントとして
『ダイエット前と筋肉量が同じになった時』となっています。(Dulloo 1997)
更に、ダイエット後のリバウンドには、脂肪量の減少の他に
筋肉量減少が関与しているとも報告されています。(Turicchi J, 2019)

なので上記の研究からもダイエットにて筋肉量を減少させすぎるような
ダイエットではリバウンドしやすいということになります。
なのでリバウンドしないためにはできるだけ筋肉量を落とさないで
脂肪のみを落としていく必要があります。

脂肪のみを落として維持していく方法として以下のような研究があります。
有酸素運動(ランニングなど)のみvs筋トレvs有酸素運動+筋トレvs食事指導のみの比較で
3年間観察しどのくらいの体重と脂肪量のリバウンドがあったのかを調べています。
結果として有酸素運動+筋トレが他よりも体重も脂肪量もリバウンドしづらいといった結果を報告しています。(Rojo-Tirado MÁ, 2021)
しかもショッキングなことに3年後に有酸素運動のみでは元の脂肪量に戻っていることも報告されています。
この結果からもダイエット後のリバウンド防止には有酸素運動と『筋トレ』も必ず行なっていくことが必要になってきます。
ちなみに行なっていた運動はベンチプレス、スクワット、腕の個別の筋肉の筋トレなどです。

ウォーキングやランニングと一緒にスクワットや腕立てなどの筋トレもしっかりやっていきましょう!

引用文献
①Dulloo AG, et al. Poststarvation hyperphagia and body fat overshooting in humans: a role for feedback signals from lean and fat tissues. Am J Clin Nutr.
  1997;65(3):717‐723
②Jake Turicchi Associations between the rate, amount, and composition of weight loss as predictors of spontaneous weight regain in adults achieving
  clinically significant weight loss: A systematic review and meta‐regression. Obes Rev. 2019 Jul;20(7):935-946.
座りがちな人も運動で痛みを改善!?

(2021年6月 6日 10:00)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回は『座りがちな人も運動で痛みを改善!?』というテーマでやっていきます。
北海道は緊急事態宣言の影響もあり、いつにもまして自宅内にいる時間が増えていると
思います。

コロナ前と比較して2時間ほど動画視聴の時間が増加したとのニュースもありました。
余暇時間を動画を見て過ごすことも良いのですが座りすぎでは運動不足になって肥満などの
生活習慣病のリスクも増加してしまいます。

でも、いきなり運動して身体が痛くならないか?という不安はないでしょうか?
そんな不安を解消するための研究を紹介いたします。

座りがちな男性女性約50人ずつ2つのグループに分かれて
運動をするグループvs通常の生活をして過ごすグループの比較を行いました。
またこの研究での参加者は40~75歳までの肥満や過体重の人たちです。

運動の内容としては
中程度〜高強度の有酸素運動を週に6日、1日60分です。
種類としては週に3回エアロバイクなど、もう3回はランニングやウォーキングとなっています。
それを12ヶ月観察しています。

12ヶ月後の結果としては元々の生活をしている人たちは体の痛みが増加していると
いった結果となりました。

なので多少肥満傾向な方でも運動をして身体の痛みが出るか?というと
実は運動をしていない方が身体の痛みが増加すルことがわかります。

まずは簡単なウォーキングからやってみてはいかがでしょうか?

以前の運動に関しての記事もご覧ください。

運動不足に関して
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/06/post-332.html

減量に関して
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/05/post-330.html


参考文献
Kristin L. Campbell Injuries in Sedentary Individuals Enrolled in a 12-Month, Randomized, Controlled, Exercise Trial J Phys Act Health. 2012 Feb; 9(2): 198–207.
筋トレでケガが予防される!?

(2021年6月 4日 17:10)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日のテーマは『筋トレでケガが予防される!?』です!

結論から申し上げますと
筋力トレーニングによってスポーツでの怪我は1/3になると報告されています。(Jeppe Bo Lauersen 2014)

一般的なイメージや患者様から質問頂くことがありますが
筋トレすると身体が重く、硬くなってケガしやすくなるんじゃないの?と聞かれます。
しかし、以外な結果が研究で明らかになってきます。

ストレッチvs筋力トレーニングvs固有受容器トレーニング(バランスボールに乗ったり不安定なところでバランスを取るような訓練です)
上記の3つで比較した結果…

筋力トレーニング>固有受容器トレーニング>ストレッチ

の結果で
特に筋力トレーニングが急性のケガ、慢性のケガともに軽減すると報告されています。

なので筋力トレーニングをして運動のパフォーマンスを上げるといった効果だけでなく
ケガの確率も減らすことができます。決して体が固まってケガしやすくなるといったことは
ありませんので安心して筋トレしましょう!


引用文献
①Jeppe Bo Lauersen The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials .Correspondence to Jeppe Bo Lauersen, Institute of Sports Medicine Copenhagen, Bispebjerg Hospital, Building 8, 1. Floor, Bispebjerg Bakke 23, 2400 Copenhagen NV, Sealand 2400, Denmark.