北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中 R3.No.7.

(2021年5月24日 17:45)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日はオンライン学会、講習会にて講師を努めた職員の伝達講習でした。
『変形性膝関節症』に関してです。
20210524外来1.jpeg
トピックとして『早期の』変形性膝関節症の人への治療です。

早期の変形性膝関節症としては
・1年間で10日以上続く痛みの経験が2回以上
・レントゲン上でグレード(4が1番重度)が0~2
などがあります。

つまり、あまり変形は進んでいないが痛みがある状態の人のことです。

関節の軟骨は自己修復機能が低いので1度変形が進むと回復が難しいとされています。
グレード1から グレード2への進行率は10年で約60%程度に上ると報告されています。(Hart DJ 2003)
その為、悪化を防ぐためにも適切に治療を行なっていくことが必要になります。

何をする必要があるか?というと適度な運動が必要になります。
ラットの研究では中等度の歩行負荷で変形性膝関節症の
進行を抑制すること、軟骨の損傷も減少することを報告しています。(iijima 2015)

グレード2以下の変形性膝関節症では炎症の指標と疼痛が関連していると報告されています。(Shimura 2013)
なので大きく変形していなくても関節の中では炎症が起こり痛みを感じている可能性があります。
習慣的に運動している人たちは炎症物質が抑制される可能性があるとも報告されています。(Niida 2014)
膝のためにも運動習慣は必要となります。

具体的な運動は膝の状態や痛みによっても変わりますのでお困りの方は是非ご相談ください。


引用文献
①Hart DJ, Spector TD: Kellgren & Lawrence grade 1 osteophytes in the knee-doubtful or definite? Osteoarthritis Cartilage 11: 149-150, 2003.
②Iijima H Physiological exercise loading suppresses post-traumatic osteoarthritis progression via an increase in bone morphogenetic proteins expression in an experimental rat knee model Jun;25(6):964-975.
③Y Shimura The factors associated with pain severity in patients with knee osteoarthritis vary according to the radiographic disease severity: a cross-sectional study 2013
④Nishida Y, Higaki Y, Taguchi N, Hara M, Nakamura K, Nanri H, Imaizumi T, Sakamoto T, Horita M, Shinchi K, Tanaka K. Objectively measured physical activity and inflammatory cytokine levels in middle-aged Japanese people. Prev Med 64: 81-87, 2014.
北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中 R3.No.6.

(2021年5月24日 17:41)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

朝練です。
テーマは足首の骨(足関節外果)の骨折後の可動域制限です。

足首は捻挫の危険性もありますが怪我の仕方によっては
骨折まで至る場合もあります。

骨折した場合は保存療法で骨が癒合するまで固定することがあります。
また骨折した際に骨がずれたり、複雑な折れ方をした際には
手術になる場合もあります。
どちらにせよ一時的に足首を固定する期間がありますので
それによって柔軟性が低下して
生活の中での歩行の際や階段などの際に不便さを感じることがあります。

今回は背屈制限に関して行いました。
背屈とは写真のようにつま先が上がる方向です。
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この可動域が制限されると歩行の際につまづきやすくなったり
階段を降りる際にうまく降りれないなんてことがあります。
(歩行の際は約10°、階段を降りる際は約20°程可動域が必要です。 小林 他)

一般的に背屈可動域改善のためにアキレス腱をストレッチすることがあると思いますが
長い時間の固定期間の後はアキレス腱以外のふくろはぎについている筋肉も柔軟性が失われていきます。
本日はアキレス腱だけでなく長母趾屈筋という足首の真後ろについている筋肉を重点的に触診・考察しました。
つま先が上に上がらないだけでなく足の親指が上に上がらない人は長母趾屈筋が硬い可能性があり
合わせてチェックしていく必要があります。

足首が固くて歩行や階段でお困りの方、痛みがある方は是非ご相談ください。
次回も頑張ります!


引用文献
①小林 他 階段昇降時の下肢関節角度の変化について Japanese Physical Therapy Association NII-Electronic Library Service J
減量・ダイエットに関して

(2021年5月24日 17:09)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

今回は減量・ダイエットに関してです。

病院に来られる有疾患者の方、特に膝が痛くなるような
『変形性膝関節症』と診断されるような方は
筋力や柔軟性だけでなく体重を減らすことも膝への負担を減らすために
必要になってきます。
肥満が変形性膝関節症のリスク要因であったり
過剰な体重が疼痛や歩行能力と関係していると報告されています。(変形性膝関節症ガイドライン)

ちなみにどの程度体重を落とせば生活の中で実感できるかというと

体重が5,1%以上、または1週間で0,24%減少した場合、身体の機能障害が大幅に改善
したと報告があります。(Robin Christensen 2007)
なので体重60kgで膝が痛いなどの症状があ人は
約3kg、1週間で150g体重を落とす必要があります。

では、身体のために減量・ダイエットをしよう!と思ったときに
どのような方法で行えば良いのか?で行き詰まる方が多いと思いますので
今回は方法論をご紹介させていただきます。

体重の中で脂肪を落とすためには約7200kcal消費することが必要と言われています。
{7200kcalの計算は9kcal(脂肪1g消費するためのカロリー)×1000g(脂肪1kg)×80%(身体の中の脂肪から水分などの除いた割合)=7200kcal}

7200kcal消費するためには、毎日運動するとして
(7200÷30日=)233kcalを1日に消費する必要があります。
233kcal消費するためにはどのくらいの運動が必要かというと…
(時速4km:横断歩道で信号を点滅せず渡り切れる速さで計算しています。)

1ヶ月1kgの脂肪を落とすためには以上の量を参考にしてみてください。
しかし、運動だけではなく食事でも考えていく必要があります。

食事で233kcalに近いものは…
ご飯140gで約235kcal(コンビニおにぎり一個で白米100g位です。)
食パン(6枚切り)1,5枚で約237kcal
でも、これらは主食なので削ることはオススメしません。

嗜好品などでは
ポテトチップスなどの商品では約300kcal程度、ビールでは350ml缶で1,5本で
約246kcal、ハンバーガーでも約250kcalなどになります。
毎日のおやつを一つ削るだけでも数km歩く分のカロリーになるので
商品の裏側を見るクセをつけることも大事になります。

文部科学省のサイトでは食品のカロリーなどの検索機能もありますでの見やすくてオススメです。
https://fooddb.mext.go.jp/

以上のことがダイエット、減量を行う上で覚えることが必要なことで次に
効率の良い方法をご紹介いたします。
ダイエットの定番の運動としてはジョギングやサイクリングがあります。

結論からいうとジョギングがオススメされます。
ジョギングvsサイクリングではジョギングの方が脂肪の分解されやすいと報告されています。(Capostagno 2010)

運動を継続する時間としては『30分以上』をオススメします。
運動開始からすぐも少しは脂肪の燃焼が始まるのですが
運動開始から30分を超えた時点で大きく脂肪の燃焼が高まることが報告されています。(Klein S 1994)


今回のまとめとしてダイエット・減量をおこなっていく上でのポイントは
・1kgの脂肪を落とすためには毎日運動しても体重60kgの人で5km,75分程度は歩く必要がある。
・普段の無駄な間食を1つ減らすだけでもチリツモになる。
・ジョギングを30分以上行うことをオススメする。
・膝が痛くて歩きづらいなどの症状がある人は最低でも体重の5%程度は減量が必要になる。


引用文献
①Minds 変形性膝関節症理学療法診療ガイドライン
②Robin Christensen Effect of weight reduction in obese patients diagnosed with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis 2007
③Capostagno B, et al. Higher fat oxidation in running than cycling at the same exercise intensities. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2010 Feb;20(1):44-55.
④Klein S, et al. Fat metabolism during low-intensity exercise in endurance-trained and untrained men. Am J Physiol. 1994 Dec;267(6 Pt 1):E934-40.
通所リハビリブログ 第57号 お花見レク

(2021年5月21日 16:41)(通所リハビリブログ)

みなさんこんにちは!
北星病院通所リハビリ広報部です!
 
徐々に気温が高くなり春の訪れを感じられるようになりましたね。
北海道でも5月初めごろに桜が満開になり、送迎時などに車内から綺麗な桜を見ることが出来ました。
 
20210521桜①.JPG 20210521桜②.JPG

 
桜の開花に合わせて、通所リハビリセンターでも桜の木を装飾しました!
この桜は、ご利用者様に歩行練習をしながら花びらを貼っていただき、皆様の力で満開になった桜です!皆様「綺麗だね~」と歩きながらうっとりされています。
 
 
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今年もコロナウイルスの影響で、イベントや外出ができずに終わってしまった方が多かったと思います。
そこで、通所リハビリセンターでは皆様に少しでもお花見気分を味わっていただくために、レクリエーションとしてお花見や桜に関する○×クイズを行いました!
テーブル対抗戦で、クイズに正解した人数分の花びらを貼っていき、枯れ木を満開にしていくゲームです!
 
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皆さん難問に頭を抱えていましたが…、正解が発表されるたびに歓声が上がり、楽しまれていました!
 
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結果はいかがでしょうか…?
皆さん接戦でしたね!どのチームもきれいな桜の木ができました!
 
通所リハビリセンターでは、今年度も皆様に楽しんでリハビリに通っていただけるように
感染対策を徹底しながら、季節を感じられるレクやイベントを予定しています!
体験利用も受け付けておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください!
 
以上、北星病院通所リハビリ広報部でした!

通所リハビリブログ 第56号 血管の老化を予防するには?

(2021年5月21日 16:31)(通所リハビリブログ)

こんにちは。健康に役立つ知識をお届けする健康生活お助け隊です。今回のテーマは血管の老化を予防するためにはどんな食事をとるのが良いのかを情報発信していきたいと思います。
 
日本人の4人に1人は血管病で命を落とす方が多いそうです。グラフ(厚生労働省からの概況)をみると、がんに匹敵するほど多くの人が血管病で亡くなっていることがわかります。血管の老化は年齢とともに進みますが、努力次第では血管のしなやかさを取り戻すことも可能です。ただ、血管は特に生活習慣の影響を受けやすいため、ライフスタイルに気をつけていくことが大切です!
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ホクメロちゃん「隊長!!血管病を予防しなきゃいけないことはわかりました!でも、どんな食事をとったらいいかわかりません! 」
隊長「なるほどっ!では…今回は、血管に良い食材を3つのポイントに分けてご紹介していきます!」
 
✓血管病(動脈硬化)を予防する食材とは?
①肉より魚がおすすめ
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青魚がおすすめです。魚の栄養で血管に弾力性が出やすくなります。イワシなどの青魚に豊富に含まれる、EPA(オメガ3系不飽和脂肪酸)と呼ばれる栄養素には血液をサラサラにする効果があると言われています。
 
②大事なのは野菜と果物
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おすすめは、モロヘイヤ、トマト、グレープフルーツ、玉ねぎ、りんごです。血管の酸化を止める、高血圧予防効果があると言われています。糖尿病や肥満の予防、消化を助ける作用があり、1日に必要な摂取量は野菜→350g(1日5皿分)。果物→200g(みかん1個にりんご半分)ほどが良いと言われています。
 
③若々しい血管をつくる大豆製品
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大豆製品がおすすめです。大豆は血管を強くする様々な成分を豊富に含んでいます。LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。他にも、大豆製品は良質なたんぱく質やカリウム、カルシウムなどを含み、大豆はまさに栄養の宝庫と言われています。
 
いかがだったでしょうか?今回は血管病(動脈硬化)を予防する食材をご紹介させていただきました。
より良い健康生活の参考にしてくださいね。
また、軽い運動も毎日続けると血圧を下げ、血管がしなやかになると言われています。ぜひ、食事だけでなく、運動習慣も大切にして過ごして欲しいなと思います。
 
以上 健康生活お助け隊でした。
 
参考文献
1)伊賀瀬道也:食事で血管をぐーんと若返らせる本:楽LIFEヘルスシリーズ:2017