柔軟性と筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)

(2022年3月 4日 09:00)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。
 
本日のテーマは柔軟性と筋力トレーニングとの関係です。
結論から申し上げますと筋力トレーニングによって
身体の柔軟性は向上します。
それも、強度が高い方が向上すると言われています。
 
Ioannis G Fatourosの報告した研究では…
 
運動経験のない高齢者を集めて
・何もしない群
・低強度(最大筋力の40%)
・中強度(最大筋力の60%)
・高強度(最大筋力の80%)
で週に3回、全身の筋力トレーニング(ベンチプレスやレッグプレスなど)を行いました。
その後に柔軟性がどうなったのか?ですが
高強度の運動では前屈や股関節伸展脚(を後ろにそらす可動域)が+20%となっていました。
低強度では有意な改善は見られていませんでした。
 
なんとなくのイメージでは筋トレをすると身体が硬くなるといった
イメージが先行しますがしっかりと筋力トレーニングを行うと
筋力が向上することはもちろんのこと、身体も柔らかくなっていきます。
 
この研究で重要なことは高齢者を対象にしたことだと思います。
高齢者でもしっかりと負荷を設定して行えば身体の機能が改善することが望めます。
是非、お試しください!(安全の為、高負荷は専門家の元で行うことをオススメします。)
 
引用文献
①Ioannis G Fatouros Resistance training and detraining effects on flexibility performance in the elderly are intensity-dependent J Strength Cond Res. 2006 Aug;20(3):634-42.

北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中 R3.No.32.

(2022年3月 2日 17:22)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院来来リハビリ班です。

本日は朝練です。

テーマは『肩関節』です。
今回はバンザイ (肩屈曲最終域)の最後で肩に痛みが
走る場合を考え、みんなでディスカッションを行いました。

バンザイの最後のところでの痛みは
関節内インピンジメントの可能性があります。
(近年では拳上や 屈曲内旋でも生じるとされており
最終可動域まで運動を行えば生理的に接近する組織同士が接触すると考えられる。 村木 2013)
20220228外来4.png
原因の一つとして肩の後ろの部分の固さがあります。(Mihata T 2013)
肩の後ろの固さのチェックの一つとして肩水平屈曲テストがあります。 
20220228外来3.png
1週間ストレッチ をしてみて痛みが減るのかチャレンジです!
(ストレッチの仕方は上の肩水平屈曲テストの形で反対の腕で硬い方を引っ張ってみてください)


引用文献
①村木 バイオメカニクスに基づいた肩関節障害の評価と治療 理学療法の歩み 25 巻 1 号 2014 年1月
②Mihata T, Gates J, et al.: Effect of posterior shoulder tightness on internal impingement in a cadaveric model of throwing. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2013
③原田 中学野球選手における肩関節内インピンジメントについての検討 肩関節 2018

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通所リハビリブログ 第84号 節分イベント

(2022年2月28日 15:53)(通所リハビリブログ)

こんにちは!北星病院通所リハビリ広報部です!
 
大雪で大変だった1月も過ぎ、2月が始まりましたね!
少し前になりますが、2月3日は節分でした!
皆様は豆まきや恵方巻などは行いましたか?
通所リハビリセンターでは2月2日から2月4日まで節分イベントで
豆まきを行いましたので、その様子をご紹介します!
 
20220228豆作成.png
本物の豆のかわりにお花紙を丸めた豆を皆様に作っていただきます。
指先を使って作ることで手の運動にもなります!
さあ、豆の準備ができたところで、、、
 
20220228鬼登場.JPG
鬼が登場しました!!
 
司会の「鬼は外!福は内!」の掛け声とともに豆をまいていただき、
無事鬼退治できました!
 
20220228鬼退治.png
 
豆をまいた後は、鬼と一緒に仲良く記念撮影♡
笑顔あふれる豆まきとなりました!
 
20220228記念撮影.png
 
職員一同、ご利用者様をはじめとする皆様に福が訪れるように願っています!
 
 
以上、北星病院通所リハビリ広報部でした!

低強度運動での休息時間(セット間の休憩時間の設定に関して)

(2022年2月23日 14:12)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

以前、自重トレーニングでの回数はどのくらい?
に関しての記事を書きました。(結果としては疲労困憊までやる必要がある)
今回は低負荷でのトレーニングでのセット間の休憩時間に関しての内容です。


過去記事はこちら

https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2022/01/post-388.html

休憩時間の条件としては最大筋力の30%の負荷量で
休憩時間を20秒、60秒、180秒で比較しています。
結果、20秒・60秒の休憩時間で実施した方が
筋厚の増加が見られたのが早かったと報告されています。(Hirono T 2019 )

また、他の研究でも筋トレ後に張っている状態(俗に言うパンプしている状態)が
長期的にも筋肥大と相関していると言われています。(Hirono 2022)

以上のことからも低負荷や自重でのトレーニングを行う際の
セット間の休憩時間は短めでしっかりと筋肉のハリを感じるまで追い込む必要が
あるのではないかと思います。

ジムに行ってまではちょっと・・・
という方はご自宅で休憩時間を短くして試してみてください!


なお、2月から外来リハビリ班に新しい仲間が増えました。
20220218外来.jpeg

作業療法士の土肥 健(どい たける)です。

経験年数が約10年で色々な分野で活躍してきています。
頼もしい味方が増えた外来班をこれからも、もっとよろしくお願いいたします!



引用文献
①Hirono T, Ikezoe T, Nakamura M, Tanaka H, Umehara J, Ichihashi N Acute effects of low-loaded resistance exercise with different rest periods on muscle swelling in healthy young men The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine 2019
②Hirono T Relationship Between Muscle Swelling and Hypertrophy Induced by Resistance Training Journal of Strength and Conditioning Research: February 2022 - Volume 36 - Issue 2 - p 359-364




座っている時間と腰の関係

(2022年2月21日 14:05)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

まだまだコロナ渦が継続していて
在宅ワークなどで座り続けている時間が長い人が多いのではないでしょうか?

今回のテーマは座りっぱなしと腰の強張りです。
パソコン作業を持続していると終わった後に
腰に違和感を感じることはないでしょうか?

座位時間の持続によって腰の
筋肉のこわばりの増加(Kett and Sichting、2020)
があると報告されています。
こわばりで済めば良いですが後々にそれが
蓄積することで、腰痛へつながることも考えられます。

予防する為にはどうするか?に対して
一つの参考になる研究があります。

一定時間座っている姿勢を取り続けている間に
・何もしない(座っているのみ)
・座っている間に電気刺激(感覚のみ)
・座っている間に電気刺激(電気刺激で筋収縮を起こさせる)
 で比べた所、電気刺激で筋収縮を起こした群だけ
腰のこわばりが約10%低下したという報告がありました。(Alexander R Kett 2021)
20220218外来4.png
上記のことから考えると数十分に一度は筋収縮を起こすことが必要ではないかと思います。
具体的には一度椅子から立ち上がる、ストレッチをするなどが重要ではないでしょうか?


ちなみに、制服が新しくなりました!

リハビリは水色になりました。
(RH受付は白)
部署ごとに色が変わりますので
ご来院の際は見てみてください!
20220218外来 (2).jpeg 20220218外来 (3).jpeg

引用文献
①Alexander Robert Kett Sedentary behaviour at work increases muscle stiffness of the back: Why roller massage has potential as an active break intervention. Appl Ergon. 2020 Jan;82:102947. doi: 10.1016/j.apergo.2019.102947. Epub 2019 Sep 9.
②Alexander R Kett Sitting for Too Long, Moving Too Little: Regular Muscle Contractions Can Reduce Muscle Stiffness During Prolonged Periods of Chair-Sitting Front Sports Act Living. 2021 Nov 3;3:760533. doi: 10.3389/fspor.2021.760533. eCollection 2021.