町内会出張健康教室

(2021年11月17日 09:37)(外来リハビリブログ)

みなさん、こんにちは!
リハビリテーション科の理学療法士の澤野です。

11月10日水曜日に稲穂町内会様で出張健康教室を行ってきました。
今回は理学療法士の坂田が「痛みや転倒を予防するための良い姿勢」についてお話しました。
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要支援や要介護になる原因として、関節疾患や転倒による骨折が挙げられます。これら痛みや転倒のしやすさが姿勢の悪さからも影響していることを説明してくれました。

皆さん、お互いに姿勢をチェックして正しい姿勢と不良姿勢を認識できていたと思います。その後は姿勢修正のための運動を全員で行いました。
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次回の稲穂町内会への出張健康教室は来月12月8日水曜日です。
私たち北星病院リハビリテーション科では各町内会への出張健康教室も行っており、随時受付中です。ご希望される町内会様がございましたら、お気軽にお申し付けください。(現在は感染対策を徹底しています)

ご連絡先:0123-24-1121
北星病院 リハビリテーション科 
健康教室係 澤野純平(サワノジュンペイ)までご連絡下さい。

出張介護予防教室案内.pdf

足の指使えてますか?

(2021年11月15日 17:50)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

皆さんは足の指がしっかり使えているでしょうか?

足の指の筋肉がしっかり働いていないと
転倒の原因となったり、扁平足とも関係してきます。
(木藤 2001)

足趾筋力と転倒の関係では
筋力が不足している状態では重心の移動が増加(ふらふらしやすい)
することが報告されています。
特に前後の重心の動揺が増加する傾向にあるようです。
(長谷川 2013)

皆さんは足の指を意識したことはありますか?

以下に、自宅で行える簡単なトレーニングを紹介させていただきますので
ぜひお試しください!
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引用文献
①木藤伸宏 高齢者の転倒予防としての足指トレーニング効果 理学療法学 28(7)313-319 2001
②長谷川正哉 高齢者 にみられる浮き趾と足趾運動機能および姿勢制御 能力について 理学療法の臨床と研究 22,15-19.2013.
訪問リハビリブログ② 『脈圧ってなんだ!?』

(2021年11月12日 16:58)(訪問リハビリブログ)

こんにちは! 北星病院 訪問リハビリの堀です!
訪問リハビリブログでは、定期的に皆様にとって役立つ情報を発信していきたいと考えています。
 
それでは早速、今回のテーマはこちらです。
 
「脈圧ってなんだ!?」
 
「血圧が高くて(低くて)病院に通ってるんだ」「血圧高くないし元気だよ」
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よくある日常での会話ですね。私自身も、普段からよく耳にしている会話です。
 
そこで皆様、最高血圧や最低血圧についてはよく意識されていますが、脈圧という存在をご存知でしょうか?そして脈圧とは何なのか?知って何の役に立つのか?少しご紹介致します。
 
脈圧とは血圧の上下の差のことを指し、算出方法は【最高血圧-最低血圧=脈圧】となります。
例えば、血圧120/70mmHgの方であれば、120-70=50で脈圧は50となります。単純な引き算ですね。
脈圧の適切な値は、一般的に約30~50未満とされています。この数値が著しく正常値と離れている場合は、心機能の低下や、動脈硬化など血管の状態があまり良くない可能性があります。
 
上下の血圧が正常値でも、脈圧が正常とは限らないのです。
 
冒頭の「血圧高くないし元気だよ」という会話について考えてみましょう。
上下の血圧はそれぞれ正常値でも、脈圧は正常値から離れており、体調的には元気でも動脈硬化は進行していた。
気付かないだけで色々な病気のリスクが高い状態となっていた。といった事態もよくあるというお話です。
逆に考えれば、脈圧という存在を知っていれば早めの対処が可能となります。
 
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心機能に対しての運動効果は良く知られている印象がありますが、実は血管機能改善に対しても運動療法が有効です。お薬での治療と合わせて運動を実施することで、より効果が期待できます。また、現在それほど血圧に問題のない場合でも、運動により血管機能を低下させない効果も期待できます。
リハビリは身体機能だけでなく、血圧などについてもしっかりと管理しながら運動を行いますので、お気軽にご相談頂ければ幸いです。
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北星病院 訪問リハビリテーション 相談窓口 0123-29-5035(担当:三上)

北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中 R3.No.21.

(2021年11月11日 16:52)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

朝練です!

本日のテーマは『上殿部神経支配の痛み』です。

上殿部神経はお尻の少し上からお尻にかけて走っている神経です。
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全腰痛の中の14%と言われたりもしています。(kuniya 2014)
症状としてはお尻周辺の痛みです。
基本的に症状は腰の動きによって増加します。
長時間の立ちっぱなしや座りっぱなし、歩行などでも増加します。(文献③〜⑥)

リハビリでの内容としては
徒手療法や筋の反復収縮を行う事で,上殿皮神経が分布する殿部(お尻)の皮下組織の滑走性改善や胸腰筋膜の柔軟性改善を
目指します。(石川)

全員で痛みが出る部位の触診や改善するための運動・姿勢のチェックなどを行いました。

次回も頑張ります!

引用文献
①井須豊彦:脊髄外科を志して 30 年―脊髄外科医からのメッセージ.脊髄外科 27:202‒207,2013
②Kuniya H, Aota Y, Kawai T, et al:Prospective study of superior cluneal nerve disorder as a potential cause of low back pain and leg symptoms. J Orthop
 Surg Res 9 139, 2014
③Berthelot JM, Delecrin J, Maugars Y, et al:A potentially under- recognized and treatable cause of chronic back pain:entrap- ment neuropathy of the c
 luneal nerves. J Rheumatol 23: 2179‒2181, 1996
④ Akbas M, Yegin A, Karsli B:Superior cluneal nerve entrapment eight years after decubitus surgery. Pain pract 5:364‒366, 2005
⑤ Aly TA, Tanaka Y, Aizawa T, et al:Medial superior cluneal ner ve entrapment neuropathy in teenagers:A repor t of two cases. Tohoku J Exp Med
 197:229‒231, 2002
⑥ Talu GK, Ozyalçin S, Talu U:Superior cluneal nerve entrap- ment. Reg Anesth Pain Med 25:648‒650, 2000
⑦石川 上殿皮神経に起因する腰臀部痛が疑われた症例に対する理学療法の効果と症状再発に及ぼす因子の検討 Vol.43 Suppl. No.2
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転倒恐怖感について

(2021年11月10日 16:47)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日のテーマは『転倒恐怖感』です。

これから冬が近づき、外に出ると転びそうで
怖いから外出が減るといった声を毎年、耳にします。

特に北海道は11月〜3月ごろまで雪があって
半年弱ほど外出に制限がかかります。

外出に制限がかかると活動量が制限されて
運動不足による筋力の低下で
冬が明ける頃に転ばれる方も少なくありません。

今回は転倒に対する不安が何によって起こり
どのようにすれば予防・改善できるのか、不安のために活動量が低下し冬の間に弱らないで
転倒リスクを軽減させて要介護状態にならないように、ということを
目的にやっていきます。

そもそもが、身体機能が低下していると転倒恐怖感が増加します。(Keitaro Makino 2021)
また、身体に痛みがある状態でも転倒恐怖感が増加すると言われています。(古賀 2014)

身体機能や痛みは治療が必要であり、スグに改善することは難しいです。

そこで「自己効力感」というものが鍵となってきます。
自己効力感とは
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること(wikipedia)
とされています。

自己効力感が高い人は運動量も維持・改善されると言われています。(前場 2012)
なので自然と体を動かしやすく、身体機能が低下しにくい状態だということになります。

自己効力感重を上げるために
転倒の恐怖感を克服するためには
家の中のあそこは歩いても大丈夫だ
外の公園は大丈夫だと自分の中で確信することが大事になります。

しかし、思い込みだけで自己効力感を上げるのは難しいので
一つ、一つこれはできるんだということを経験することが重要になります。

具体的には、一度転倒し自信がなくなっている人がいるとします。
いきなり、外を歩いて買い物にいくのは怖いとなっているとします。
その場合は、まず家の中でも簡単な段差の無い居間の中を歩いて大丈夫と確認すること。
次に、家の中の段差があるところを試すこと。
その次に外を歩いてみるなど段階を踏んで自信をつけていくことが必要になります。

本人一人では、段階を踏んで解決していくことも
難しいので周りのご家族や友人の協力も重要となってきます!


引用文献
①Keitaro Makino Prospective Associations of Physical Frailty With Future Falls and Fear of Falling: A 48-Month Cohort Study Phys Ther. 2021 Jun 1;101(6):pzab059. doi: 10.1093/ptj/pzab059
②古賀 高齢骨折患者における転倒恐怖感に影響する要因の検討 日職災医誌,62:23─26,2014
③前場康介,竹中晃二.高齢者における運動セ ルフ・エフィカシーの情報源および運動変容 ステージとの関連.行動医学研究 2012; 18 (1):12-18.