北海道千歳市リハビリ病院 痛みを予防しよう!シリーズ ~膝編~⑤

(2021年1月25日 14:19)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

膝編の続きです!

前回記事はこちらです↓
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/08/post-238.html :①
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/08/post-240.html :②
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/01/post-299.html :③
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/01/post-300.html :④

今回のテーマは変形性膝関節症(膝が痛い人)と減量に関してです。
最近は健康雑誌や TVの健康番組でも
減量しましょう!ダイエットしましょう!と頻繁に言われています。
実際に変形性膝関節症 理学療法診療ガイドラインでも
減量は最も高いレベルで推奨されています。

では実際にどのくらいまでの減量を目標とすれば良いのか?
という所が1番気になるところかと思います。
Messierらは10~19%減量に成功した人は
痛みや6MD(6分間歩行した際の距離や疲労感を測定する物)、膝の機能
に改善が見られると報告しています。
更に20%以上減量に成功した人たちは
10%減量に成功した人より
25%痛みが減少したとも報告しています。

なので体重60kgの人は
10%=6kg 20%=12kg減量ということになります。
この研究での減量の期間は18ヶ月です。
短期間での減量は健康に悪影響を及ぼすので
気をつけましょう。

ちなみにこの研究でのPFCバランス(P:タンパク質 F:脂質 C:炭水化物)は
タンパク質15~20%脂質30%未満、炭水化物45~60%で
行っていました。

また、減量は炎症に関係するIL-6と言われるようなものの
血中濃度も下げると言われています。(Nicklas BJ, Ambrosius W 2004)
なので減量すると体重による膝への負担が減るばかりでなく
炎症由来の痛みが減少する可能性があります。

膝が痛い方は是非減量をご検討ください。

引用文献
①Stephen P. Messier, Ph.D. Intentional Weight Loss for Overweight and Obese Knee Osteoarthritis Patients: Is More Better?  Arthritis Care Res (Hoboken). 2018 November

②Nicklas BJ, Ambrosius W, et al.: Diet-induced weight loss, exercise, and chronic inflammation in older, obese adults: a randomized controlled clinical trial. Am J Clin Nutr. 2004; 79: 544‒551.
北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中25

(2021年1月22日 20:24)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

朝練です!
テーマは上腕二頭筋長頭腱炎での
肩関節の可動域制限です。
症状は肩を動かした際に前面に痛みがあり肩が上がらないということがあります。

上腕二頭筋とは一般的にイメージするところのちからこぶの筋肉です。
主に肘を曲げたりする筋肉です。
肩の付け根のところについていて
筋肉が骨に擦れたりすることで
炎症が起きたり痛みが出たりするのが
病態です。

上腕骨(腕の骨)と肩甲骨の関節のところで
上手く筋肉が働いていないなどの
要因で上腕骨の位置異常が起こり
負担が増加することで痛みにつながります。

本日は位置異常があるかのチェックと
肩を安定させるようなインナーマッスルと
呼ばれる筋肉のトレーニングに関して
練習を行いました。
20210122外来1.jpeg
次回も頑張ります!
北海道千歳市リハビリ病院 痛みを予防しよう!シリーズ ~膝編~④

(2021年1月21日 16:49)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

前回記事はこちらです↓
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/08/post-238.html :①
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/08/post-240.html :②
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2021/01/post-299.html :③

今回は膝の曲げ伸ばし編です。

・膝の曲げ伸ばしのチェック
・オススメのストレッチ紹介 の2つでやっていきます。

一般的な膝の動きとしては曲げ伸ばしとなります。


実際の生活ではまっすぐ立ったり、歩いたりする時の一部で
膝をまっすぐ伸ばします。


また、階段などの段差や自転車をこぐ
正座をするなどといったときに膝を曲げます。


なので基本的な膝を曲げる、伸ばすといった事が
できなくなると膝への負担が増加したり
直接生活に支障をきたしてしまうことになります。

ではチェックしていきます。
大前提として膝を動かした時に
痛みなどが出ない状態までで止めましょう。


痛みがある場合は先生に相談ください。

ストレッチの時間は1回30秒程度です。


長時間(90秒以上)行うと一時的に
筋力が出しづらくなるのであくまでも
運動後に行いましょう。


またセット数は2〜3セット、週に4回程度行うと
2週間後から効果が出始めるとの報告がありますでの
参考にしてみてください。

まずは膝の伸ばしです。
ご自分の膝が伸びるかチェックしましょう。

寝た状態で自然に膝の裏がベッドにつくか見てみましょう。

ベッドに膝の裏がつかない場合は硬い状態です。
20210121外来8.jpeg
20210121外来7.jpeg

膝が硬い人の為のストレッチ編です。

座面が硬い椅子に座った状態で背中を
伸ばしたまま画像のように前に体を倒していきます。


意識としては腰は曲げないで股関節をめげていくイメージで
行ってください。
20210121外来6.jpeg


もう一つです。
床やベッドに座った状態で膝をまっすぐに伸ばして
足にタオルを引っ掛けて体を前に倒していきます。


これも腰を曲げすぎずに股関節を曲げていくイメージで
やってみましょう。
20210121外来5.jpeg
次に膝の曲げです。
寝た状態で膝を曲げて踵がお尻につくかやってみましょう。
20210121外来4.jpeg
硬くて付かない場合は無理して正座などをすると
負担が強すぎる状態と思われます。


これもストレッチをしていきましょう。

ストレッチ編です。
膝の曲げには膝の前面についている筋肉を
伸ばしていく事が必要となります。

2段回に分けてやっていきます。

1段階目です。
床やベッドに座った状態で片方の足を曲げて
体を後に倒していきます。


膝の前面に突っ張り感を感じたらOKです。
20210121外来3.jpeg
2段階目は体をより後に倒していき
背中を床につけてみましょう!
20210121外来2.jpeg
もう一点として膝は曲がる際に
内旋といって内側にねじる動きも
必要とします。


なので座った状態で膝が内側に入らないように
爪先を内側に捻る運動もやっていきましょう!
20210121外来1.jpeg
最初はぎこちなかったりしますが
回数をこなすと可動域が広がりやりやすくなりますので
諦めないで頑張りましょう!


何度も言いますが注意点は膝自体は内側にフラフラと
倒れないようにしましょう。(手で固定することもOKです)

引用文献
①市橋 ストレッチングのエビデンス 理学療法学 第 41 巻第 8 号 531 ~ 534 頁(2014 年)
②平賀  ストレッチの長期的効果の出現時期 -ハムストリングスでの検討-  高知リハビリテーション学院紀要 第20巻
北海道千歳市リハビリ病院 痛みを予防しよう!シリーズ ~膝編~③

(2021年1月19日 11:02)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。
過去にやった膝シリーズを更にまとめて詳しくやっていきます!

前回記事はこちらです↓
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/08/post-238.html :①
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/2020/08/post-240.html :②

今回は
  1. なぜ膝が変形すると痛みが出る可能性があるのか?
  2. 筋力が減少するとなぜ膝の負担が増えるのか?
  3. どんな人の痛みが増加してしまうのか? などを詳しくやっていきます。

まず最初に、膝が痛い!という人や
既に医者から変形性膝関節症と診断を受けている方は
沢山いるかと思います。

実際にレントゲンで変形性膝関節症と判断される人数は
約2530万人といわれています。(吉村 2010)
実際に痛みなどの症状がある方は800万人といわれています。

日本人に多い、いわゆる変形性膝関節症は
O脚(ガニ股)といわれる変形をしている方が多いです。

ではなぜO脚だと膝が痛くなるのでしょうか?

O脚になると膝が外に逸れていくような形になります。

その為重心から膝が離れていってしまうため
負担が大きくなり痛みが増強してしまうような
可能性があります。
20210119外来3.jpeg
なのでO脚の人は膝が外に逸れているのを
修正していく必要があります。

ご自分の膝のチェックの仕方は過去記事またはこちらになります。↓
20210119外来2.jpeg


おススメの運動はコチラになります。
20210119外来.jpeg

またせっかく運動して膝の調子がよくなっても
肥満などの状態では逆に膝の負担が強くなり
痛みが増強される事がありますので
自分の膝が痛まないようにマネジメントしていく必要もあります。


次回は膝の曲げ伸ばしに関してやっていきます!

引用文献
①吉村典子:一般住民における運動器障害の疫学―大規模疫学調査 ROAD より.THE BONE 24:39-42,2010
②小川 内側型変形性膝関節症に対する下腿内旋エクササイズを 含む運動療法・徒手療法が症状および身体機能に及ぼす 即時的効果:準ランダム化比較試験北海道理学療法 2018
北海道千歳市リハビリ病院 外来リハビリ班、朝練で知識・技術向上中24

(2021年1月15日 16:15)(外来リハビリブログ)

こんにちは!
北星病院外来リハビリ班です。

本日も恒例の朝練です。

テーマは肘内側側副靭帯損傷後の
可動域制限に関してです。

野球選手の大谷翔平選手も損傷して
手術をした野球選手などではかなり有名な靭帯です。

野球選手はもちろんのこと一般の私たちでも
転んで手をついた際などに肘の関節の脱臼とともに靭帯を痛めてしまうことが
あります。

今回は脱臼後にギプス等での
固定期間を経て可動域制限が出現した際を
想定して練習を行いました。

具体的には肘の内側に付いている円回内筋、尺側手根屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋の触診を行いました。

内側だけといえどこれだけ筋肉が密集しているので各々の筋肉が硬くなると肘の可動域制限の原因となってきます。

肘の可動域制限が制限されると食事の際に
口まで手が届かなかったり、服の脱ぎ剥ぎの
不便さなどにも関わってきますので
生活を営む上で重要になります。

次回も頑張ります!